遺品整理で捨てずに残しておくべきもの

遺品整理をしていると、「色んなものが出てきて驚いた」「初めて目にするものも数多くあった」など、衝撃を受けることも多いことでしょう。遺品の中でも処分して良いものと、残しておいたほうがいいものに分かれてきます。では、残しておいたほうがいいものとは、どのようなものなのでしょうか。

残したいものと保管場所との間にギャップがある場合

遺品整理を始めると、意外な場所から思い出の品が出てきたり、こんなものがあったのかと思うようなものも見つかることがあります。そんな中で、これは残しておきたいと直感的に感じるものが見つかることもあるはずです。

その一方で、残しておきたいけれど保管場所に困るというパターンも多々出てくることでしょう。

マンションやアパートに住んでいる方の収納・置き場所探しは大変な問題です。「立派な掛け軸が見つかったけど、それを飾るような部屋が見つからない」「高額な食器を取っておきたいが、普段使っている食器棚に入れるのは気が引ける」などといった、残しておきたいものと保管場所とにギャップが生じる場合があります。捨てるのはもったいないというときには、買い取ってもらうことも一つの方法です。

残しておくものを選ぶ基準

遺品整理で、故人のたくさん思い出がある遺品が出てきた場合、そのすべてを保管しておくことは困難に等しいと言えます。そこで、重要な判断材料となってくるのが、残しておくものを選んでいく基準を明確にすることです。まずは、故人が真に大事にしていたものなのかどうかを思い出してみましょう。故人が日頃から大切にしていたものなら、できる限りは残しておきたいものです。

故人の衣類がたくさん出てきたときには、故人が気に入って頻繁に着ていた服を残しておくことが良い選択と言えるでしょう。着物などは、カビなどにも注意しながら保管しましょう。衣類に関しては、保管状態を気を付けないと虫食いなどが発生する恐れがあります。高価な呉服などは、保管の専門業者に任せたほうが良いでしょう。故人の趣味にしていたスポーツ用品などを取っておきたい場合は、特に大事にしていたものを数点選んで保管しておきましょう。

遺品整理は、故人がどのように毎日を過ごしていたかを振り返る良い機会でもあります。故人が特に大事にしていたもの、そして故人と一緒に過ごした思い出を振り返って、何を残しておくべきかをよく考えてみましょう。

残しておいたほうが良いとされるもの

1.写真
遺品整理では、これは必ず残しておいたほうが良いというものが存在します。まず思い浮かぶのは、写真です。当然のことですが、写真に収められている瞬間は、そのときだけしか撮れない貴重なものです。故人の写真は二度と撮影することはできません。そして過去は決して戻ってきません。写真や音楽は、その日、そのときにタイムスリップできる貴重なものです。故人の写真や映像は、ぜひ大切に保存しておきましょう。

2.故人の字が残っているもの
故人が書いた字が残っている手紙や書類もぜひ残しておきたいものです。故人が字を書いている姿も、これから先、もう二度と見ることはありません。字を見ることで思い出がよみがえる瞬間もたくさんあることでしょう。これらのものは大きく保管スペースを取る必要がないので、わかるようにして保管しておくようにしましょう。

3.お金に直結するもの
預金通帳や貴金属、骨董品など、後々大きなお金に変換することができる資産価値が高いものは残しておきましょう。相続等の話になる際、資産系の分配の仕方が曖昧であると、絶対に避けたいトラブルの原因にもなりかねません。どんなものがどれだけの量あるのか、ある程度は把握しておいたほうが良いでしょう。

4.気づきにくい資産
お金に直結する資産の中には、気づきにくく、見付けにくいものもあります。代表的なものとして、へそくりが挙げられます。袋や物に紛れている可能性も考えられます。誤って捨ててしまわないよう注意が必要です。分別するときには丁寧に中身を確認しながら行いましょう。

5.重要そうなもの
不動産関係の契約書、保険関係の証書も保険の解約・請求などに必要になってきます。また公共料金の手続きのために、電気・ガス・水道の領収書も数点念のため取っておきましょう。解約手続きが終われば処分しても大丈夫です。またこれらの契約に必要な印鑑は、必ず取っておくようにしましょう。

6.返却すべき書類
重要書類の中には、返却が必要なものもあります。代表的なものが「運転免許証」「パスポート」「クレジットカード」「保険証」です。これらは遺品整理の際に、処分してしまわないように充分注意しましょう。有効期限があるため、期限が過ぎれば自動的に権利自体が失効するため、それほど急ぐ必要はありませんが、権利を引き継げないものは速やかに返却しましょう。