故人と遺族の心を蹂躙する悪徳遺品整理業者の見つけ方

故人の財産の片づけを遺族に変わって行ってくれる遺品整理業者。核家族化や孤独死の増加とともに、業者数も増え続け、現在は全国に約6,000社あると言われています。故人や遺族の想いをくみ取り、心のこもった作業で高い評価を得ている業者が多数ある中で、遺族の悲しみに付け込んだ悪質な業者も存在します。

■悪徳業者で一番多いのは不当な料金の請求


悪徳業者の中で最も多いのは、ぼったくりのような料金の請求です。ネットの被害を検索してみると、「見積もりでは提示されなかった数倍の金額を請求された」、「見積もりにはなかった作業の料金まで請求された」というケースが多いようです。

そのような悪質業者に共通する手法は、確実に作業を受注するためにありえないような低い金額の見積もりを提示し、作業後に何かと理由をつけて数倍の料金を請求するといったものです。また、遠隔地でないにも関わらず、直接現場を訪問せず、電話やメールだけで見積もりをとるような業者も注意が必要です。見積もり金額以外に料金がかかることはないか、キャンセルはできるかどうかなど、作業を依頼する前に必ず確認し、メールのやり取りやメモ、録音機などで証拠を残しておくなどの対策を取りましょう。

■業者が不法投棄を行うケースも

悪徳遺品整理業者による不法投棄も報告されています。故人が大切に使用してきた家財道具を供養もせずに捨て、遺族の心を蹂躙することは決して許される行為ではありません。さらに、不法投棄された故人の財産にあった故人情報から、その故人、もしくは遺族がやったのではないかと疑われ、犯罪者扱いされるといったことにつながりかねません。このケースも料金が極端に安い業者に見られるようです。

■業者のホームページにある情報を細かくチェック


このような悪徳業者を排除するために、遺品整理士認定協会という社団法人が存在します。同協会は認定試験を行うことで、遺品整理業に一定のガイドラインを示し、有資格者の育成と業界の健全な発展を目的としています。そして、その協会が実施する試験というのが遺品整理士試験です。この資格を持っていれば、遺品整理業者としての信頼度は高いと言えます。

また、遺品整理では必ずと言っていいほど廃棄物の処分が必要となります。業者が一般廃棄物運搬許可証を持っていれば、不法投棄などの心配も少ないでしょう。さらに、故人の家財道具をリサイクル販売するために必要な古物商許可証を持っている業者は、不当に安く故人の財産を買い叩いたり、法外な処分費用を請求する可能性は低いです。
業者のホームページをチェックし、これらの資格の幾つかを揃えているかどうかが、安心できる業者選びのひとつの目安になりそうです。

遺品整理業にとどまらず、どの業界でも法律やルールを守らない悪徳業者は必ず存在します。そのような業者に仕事を依頼してさらに悲しい思いをしないためにも、遺品整理業者選びは慎重に行いましょう。万が一被害にあわれた場合には、弁護士などの法律家の他、国民生活センターや消費者センターへご相談されることをオススメします。

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